スポーツ外傷に対する鍼灸 (平成23年度)
当院は、スポーツ外傷に対する鍼灸治療をいたしております。
鍼灸治療というと、「肩こり、腰痛」というイメージをお持ちではありませんか?
肩こりや腰痛はもちろん、スポーツ外傷にも鍼灸はお役に立てることがあります。
実際に、どのようなスポーツ外傷に対して鍼灸が行われたかをご紹介いたします。
コンタクトスポーツ(アメリカンフットボールなど)をされてる方の
来院が多いためか、「打撲」が最多でした。
次いで、「捻挫」、「肉離れ」の順です。
このような外傷に対して、「鍼灸ができるなんて今まで
知らなかった」とおっしゃる方もおられました。
みなさんのイメージはどうですか?
内容 | 受診数 | 比率 |
打撲 | 40 | 31% |
捻挫 | 25 | 19% |
挫傷 | 25 | 19% |
その他 | 39 | 30% |
合計 | 129 |
(注)小数点以下は四捨五入
(補足)
○このページのデータは、平成23年度の一年間に「スポーツ活動を原因として受診された方」のみのデータです。
○「受診数」は、来院回数ではありません。 1回の障害につき、1カウントとしてあります。
○「その他」には、オーバーユース障害を含みます。
太ももの打撲が最も多く、その大半は大腿四頭筋の打撲でした。
その他は、膝、腰、わき腹など多岐にわたります。
受傷機転は「タックルを受けた時」「転倒した時」、と共通しています。
打撲 | 受診数 | 比率 |
大腿部 | 13 | 33% |
膝部 | 9 | 23% |
腰部 | 4 | 10% |
側腹部 | 4 | 10% |
肘部 | 3 | 8% |
下腿部 | 2 | 5% |
前腕部 | 1 | 3% |
恥骨部 | 1 | 3% |
臀部 | 1 | 3% |
尾骨部 | 1 | 3% |
足関節部 | 1 | 3% |
合計 | 40 |
(注)小数点以下は四捨五入
捻挫の中では、足首が最多でした。
内反捻挫が多いですが、外反捻挫や、内外側の靭帯が同時に
損傷している場合もありました。
受傷機転は、急激な方向転換や、対戦相手の上に着地した時
など様々です。相手とのもみあいの最中に捻挫した場合などには
選手自身が受傷機転をはっきりと覚えていないケースも多くあり
ました。
捻挫 | 受診数 | 比率 |
足関節 | 16 | 64% |
肩関節 | 5 | 20% |
手関節 | 2 | 8% |
股関節 | 1 | 4% |
膝関節 | 1 | 4% |
合計 | 25 |
肉離れの中では、太ももが圧倒的に多くありました。
その大半がハムストリング損傷(太ももの後面)で、その他は
大腿四頭筋(太ももの前面)の損傷です。
多くが、スプリント中に発生していました。
腹直筋(お腹)の損傷はまれですが、昨年度も1例ありました。
いずれも、相手に押されて踏ん張った時に発生しています。
挫傷 | 受診数 | 比率 |
大腿部 | 20 | 80% |
背部 | 2 | 8% |
下腿部 | 2 | 8% |
腹部 | 1 | 4% |
合計 | 25 |
上記のように、様々な部位の怪我で受診されています。
受傷後30分〜数週間・数ヶ月経ったものまで、状態は様々です。
負傷部位に偏りがあるのは、競技特性によるものも大きいと考えられます。
以下、「その他」にはオーバーユース障害、いわゆる「使い傷み」が含まれています。
このような「痛み」に対しても、鍼灸がお役に立てることがあるかと思います。
一度、ご相談下さい。
その他 受診数 大腿痛(ハムストリング・大腿四頭筋損傷後の痛みの再発、他) 7 下腿痛(コンパートメント症候群、 脛骨内側牽引性骨膜炎、他) 6 頚部〜上肢の痛み・痺れ(バーナー症候群) 5 腰痛(筋膜性腰痛、椎間板ヘルニア、脊椎すべり症、他) 4 膝痛(靭帯・半月板損傷後の痛みの再発、膝蓋骨軟化症、他) 4 鼠径部痛(恥骨結合炎、内転筋腱障害、他) 4 肩痛(肩鎖関節損傷、鎖骨骨折、肩甲上腕関節脱臼後の痛み、他) 6 臀部痛(梨状筋障害) 1 足底痛(足底筋膜炎) 1 アキレス腱部痛(アキレス腱障害) 1 合計 39
○スポーツをされている方へ
「常に、ベストパフォーマンスを発揮したい。」
身体を過酷に使う選手の方々にとって、この思いは皆さん同じです。
コンディションの悪化は、集中力やパフォーマンスを低下させ、ケガを招きます。
怪我を未然に防ぐためにも、「より良い状態」を維持することは重要です。
?いレベルを求めるほど、自己の状態を把握し、調整する能力が求められます。
そのためには、「自分でできるケア」と「専門的なケア」が両輪となって機能することが肝要です。
「一日でも、一分でも早く、競技に復帰したい。」
「この痛みを、無くしてほしい。」
そんな選手の一人一人の思いに応えられるように、私達も日々努力し、進化していきます。